2013.10.28

角田市郷土資料館訪問記part4~角田版大名行列?~

こんにちわ。宙(そら)です[晴れ]

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現在、角田市郷土資料館では企画展「和田家資料~内留に見る角田石川家の奥向き~」が行われています。今日もそのお話の続きをさせて頂きますね!

角田版大名行列?

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さて、こちらの写真は石川家のお姫様、お源様(おもとさま)がお城から天神町の天神宮に参拝へ向かう際の行列をモデルで表したもの(1851年当時)。当時お源様は15歳で、今でいうと中学生くらいだそうです。お城~天神宮まで往復2kmの距離をこの大行列で移動するんですね。人数は40人弱程。ちょっと写真が小さくて、お姫様がどこにいらっしゃるか全く分かりませんね。

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お源様はこちらの御乗物(のりもの)と呼ばれるものに乗っております(写真中央)。御乗物は駕籠(かご)よりもひと回り大きく、大人1人と子供2人位乗れるスペースを持っているそうです。御乗物の周りを見てみると、お侍さんが合計8人で囲んでいます。警備も手厚いことがこのことからも分かりますね。

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そしてこちらが御乗物より一回り小さい駕籠(かご)。こちらにはお源様の御供をする、12代宗光公側室恵鏡殿、13代義光公側室お貞殿が乗られています。御乗物と比べて見ると、御乗物は4人で担いでいるのに、駕籠では2人となっています。また、周りに配置されるお侍さんも2人となっています。こうやって違いを見ていくのも、面白いですよね。ちなみに、モデルの絵を描かれたのは館長の新庄屋さん。とても細かいところまで描かれています。

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さて、こちらは「七人猩猩図(しちにんしょうじょうず)」と呼ばれる大きな絵馬。これは、館長さんが和田家資料を解読していくうちに、この絵馬が横倉愛宕神社に奉納されたという事実が分かり、実際に神社へ行ってみたら本当に残っていたということでした。こちらも現在角田市郷土資料館に展示されています。猩猩(しょうじょう)とは、中国の伝説(架空)の生き物で、オランウータンか猿がモデルになったのでは?と言われています。猩猩はお酒好きで赤い髪の毛、そして親孝行のお話によく出てくるというのが特徴。この絵自体は、石川家お抱えの絵師が描いたのではと言われていますが、名前が書いていないので実際は誰が描いたか分からないということでした。そして、この絵馬は石川家の子供たちが愛宕神社へと奉納しています。この絵馬に「私も大人になったら、親孝行の人間にないたいです」という願いをこめて、奉納されたそうです。石川家の教育の一環ということなのでしょうね。

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こちらの写真は、第13代角田領主石川義光公が10日間かけて小銃を千発撃った的を奉納したもの。的に向かって千発撃って、そのうちの700番台と900番台の成績が良く、700番台は100発中96発命中、900番台は100発中97発命中したとのこと。この際に使われた銃は「ゲベル銃」と呼ばれるもので、約30メートルの距離から的を狙ったとされています。1850年当時、13代義光公は率先して鉄砲等の軍事訓練を行っていたことがこのことから分かります。戊辰戦争が始まる18年前のことです。ただ、戊辰戦争の際は、薩長の持っている鉄砲は100メートル先からガンガンと打って来たのに対し、この銃だと50メートル離れると命中率が下がるという弱点もあり、不利な戦いを強いられたとのことでした。しかし、この的を見る限り、角田のお殿様石川公は、普段から戦闘の準備を周到にされていたことが伝わってきます。その様な殿様がいらっしゃった江戸時代の角田で暮らした人々は、幸せな生活を送っていたのではないかなぁと思います。18年後には戊辰戦争が始まりますが、始まる前のちょうどこの時代の角田にタイムスリップしてみてみたいものですね。
<角田市郷土資料館訪問記part5~伊達政宗から牟宇姫への手紙&氏丈邸~へつづく>

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