2015.02.24
角田市郷土資料館で「雛人形展」開催中です
現在、阿武隈急行線角田駅の1階待合室には、30年以上前につくられた歴史あるお雛様が飾られています。
電車を降りて改札を出ると目に留まること必須。寒空のもと葉が枯れ落ちた木々を見るとなんとなく寂しくなる冬の季節、一足早い春の到来には思わず気持ちが弾みますね。
そして雛壇の向かいには以前もお伝えした「第4回かくだ牟宇姫ひなまつり」の告知パネルが設置されています。
今週末の2/28(土)、3/1(日)、角田市郷土資料館での伊達家ゆかりの雛人形の展示を始め、角田市商店街を中心に市内で様々なイベントが開催されますので、皆さん是非お越しください。詳細はこちら。
またそれに先立ち現在郷土資料館では、伊達政宗の次女牟宇姫が角田へ嫁入りの際持参したとされる雛人形や雛飾りを展示する企画展「雛人形」を開催しております。そこで先日梅雀がさっそく行ってきました
角田市中心部の商店街そばにある、「角田市郷土資料館」。当日は郷土資料館の碇子(いかりこ)館長に案内して頂きました。お忙しい中ありがとうございます
今回の雛人形展は、初の女性館長による開催ということで例年にもまして「女性らしさ」をイメージした展示レイアウトになっているそうです(取材ということで特別に撮影の許可を頂きました、重ね重ねありがとうございます)。
館内入り口にはさっそく、日本の伝統工芸「土人形」で作られた内裏雛や、仙台発祥である堤焼の製法を用いた「堤人形」が展示されています(写真右下)。
さらに「小笠原雛」(写真右上)はじめ、市内の古典折り紙団体「おりづる会」が制作した折りびなも。これらの作品は上質の和紙を何枚も重ねて折った精巧なつくりとなっています。
こちらは写実的な顔立ち(頬がふっくらしてますよね)が特徴の「古今雛(こきんびな)」。目の玉にはガラスがはめこまれているそうです(写真上)。
また紅花染めの着物の裾には金糸・銀糸が編みこまれています(写真下)。非常に繊細、緻密な造りですよね。
こちらは「吹花(ふきばな)」といって椿や桃の木の枝に折り紙で作った花を飾ったもので、花が咲かない時期でもおひなさまに華を添える雛飾りとして、室内に飾られたものだそうです。館内にはこのほかにも様々な所に吹花が飾られています。水に生けているため、暖かくなると本物のお花が咲いてきます。何とも風流です。
芥子粒のように小さいことからその名がついた「芥子雛(けしびな)」。特に五人囃子は愛くるしいサイズです。
そしてこちらが展示の目玉の一つである、伊達家ゆかりの雛人形です。高さ45センチ、幅66センチ(女雛の着物の裾幅)もある大きな男雛・女雛は思わず息を呑む迫力。伊達政宗の次女である牟宇姫が12歳で伊達家一門筆頭の角田領主、石川宗敬(角田石川家3代)に嫁いだ際、嫁入り道具として持参したとされています。
このほかにも、ガラスケースに入った可愛らしい立雛(たちびな)や、夫婦雛を描いた掛け軸など、様々な種類の雛人形や折りびなが展示されています。
また今年初の試みとして、例年「かくだ牟宇姫ひなまつり」にて市内商店街の各所に展示される「伊達政宗から牟宇姫への手紙(消息文)」の実物を敷地内にある展示用の米蔵にて特別に展示しています。また、政宗のほかにも牟宇姫の兄弟3人(初代宇和島(現愛媛県)藩主・伊達秀宗 他)からの手紙も公開しています。なんと兄弟からの手紙は今回初お披露目だそうです
手紙の内容は公式のものではなく、プライベートな仲睦まじいやりとりが交わされており、ほかの兄弟の近況が書かれていたり兄弟ごとに筆跡が全然違うのを見ると、急に親近感が芽生えてきますね。
実物の手紙と合わせて手紙の現代語訳や読み下し文を展示しておりますので、その場で解読してみるのも面白いですよ。
さらに、例年では企画展期間中収納されている「角田館主石川氏関連調度品」の中から、今年は振り袖など女性が使用したものを中心に、期間中も特別に展示しています。手紙とともに一度に角田の歴史を知ることができるのは良いですね。ぜひ実物を見にいらっしゃって下さい 振り袖や伊達家の家紋「雪薄紋(ゆきすすきもん)」が入った漆器は一見の価値アリです。
是非角田の春の風物詩を味わいに、郷土資料館へお越しください。
・・・
企画展「雛人形」
【日時】2/13(金)~3/15(日) 9:00~16:30
【会場】角田市郷土資料館
【住所】角田市角田字町17
【休館日】月・祝
【入館料】大人300円・高校生250円・中学生以下無料・団体(20名以上)250円
【お問い合わせ】0224-62-2527(角田市郷土資料館)
詳細は「角田市ホームページ」または角田市観光情報ポータルサイト「ココカクダ」まで
また「第4回かくだ牟宇姫ひなまつり」では、長泉寺にて「兄・伊達秀宗から牟宇姫への手紙」をテーマとした特別講演会が行われます。 この機会に角田と仙台の交流の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
ひなまつり特別講演会
「牟宇姫と兄・秀宗」
講師・元仙台市博物館館長
佐藤 憲一 先生(『伊達政宗の手紙』著者)
【日時】2/28(土)13:30~15:00
【会場】長泉寺
※講演会の前に「角田祭ばやし保存会」の皆さんによる角田祭ばやしの演奏が行われます。
詳細は「角田市ホームページ」または角田市観光情報ポータルサイト「ココカクダ」まで
posted by 梅雀
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