大人の部活「角★部」
郷家4代の歴史に迫る=肉の郷家=
まずは1枚の貴重な写真から。
「肉の郷家」さん、初代の方です。時は明治。角田にかつてあった映画館の前で、何ともハイカラでしかも凛々しいお姿。横浜まで旅をしながら牛を運ぶ仲買人のお仕事をしていたそうです。
3代目郷家貞男さんによると、「日本版カウボーイそのもの。馬に乗って仲間と15頭ぐらいの牛を横浜の中華街に納めていた」と。82歳で亡くなるまでに、2代目で末っ子の長六(ちょうろく)さんには、伝授すべきたくさんの事があったのだろうと想像がふくらみますね。
写真は昭和25年8月、店舗としては2代目の店先の様子。
長六さんがここ角田で精肉店を始めた。と同時に昭和15,6年ごろは自転車で、丸森や梁川辺りまで行商もしていたそうです。因みに長六さんは96歳まで長生きされたそう。
郷家さんの人気商品、一日平均1000個は売れる「コロッケ」。ここまでたどり着くには長六さんの努力があっての事。初代が繋いだ横浜。その地のレストランで習ったのがこのコロッケの原点。
3代目貞男さんが2,3歳のころ、つまり戦後の昭和22,23年には売り出していたそうです。
以来70年も続くコロッケは、「ジャガイモの甘みそのままに他の素材ととけ合うやさしい味」とそれらを包むパリッとした衣とのコンビが最高。要するに「いつも美味
しい!」。
貞男さんが家業を継いでもう50年近く。「私は5円で売った時があったな。今は57円」。商売が好きだから、仕事を一度も辛いと思ったことがないという貞男さんは、「付き合いを大切にして助け合って商売は成り立つ」という。この言葉には実行者の重みが漂っていますね。区長、青年会会長、角田スタンプ会会長、いろんな役をこなしてきた。そして地域での「持ちつ持たれつ」の関係を息子・直樹さんは自然に受け継いでいるから凄い。
お惣菜といえば昔はカツとコロッケのみだったが、25年前からバリエーションが増え、今やお惣菜は20種類以上。人気商品とあって取材中も客足が途絶えることはなかった。
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ここからは郷家さん親子の横顔をご紹介。
貞男さんの大事なスペース。実は昭和グッズのコレクターでもあり、所狭しと並ぶお宝の山に正直驚いてしまいました
町のおもちゃ屋さんでもお馴染みの品が。
初めて見ました、このカメラ。
私にとっては懐かしい品々。今の子どもたちは知らないのかな。
ビクターの蓄音機!「喫茶店とかに置いたらいい味がでるんだけどな」と貞男さん。
お二人は羨ましいくらい、本当に仲がいい。特に好きな事、趣味の話などは夢中です。
お馴染み豚ちゃんマーク(名前はまだない)はご存知、4代目・直樹さんのデザイン。そこから絵がうまいと評判になり、角田スタンプ会のガブリくんを制作することになったという。
デザイン帳を見せてもらう。独学だそう。
PCで制作。
「自分で着たいものを着る!」とアパレル関係の友人に自作のデザインを注文。お仲間と一緒に着て角田のイベントを盛り上げています。
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郷家さんには、取材協力をはじめたくさんのアドバイスを頂き、大変お世話になりました。こころよりお礼を申し上げます。ブログ執筆最後にはフリーマガジンでは書ききれなかった貴重な郷家4代の歴史を書くとだいぶ前から決めておりました。願いが叶い幸いです。
さて郷家さん親子のストーリーは、角田観光フリーマガジン『かくだのかお』でも取り上げさせて頂いております。
「昭和40年代ぐらいまでは、洋画と邦画と分かれて上映されていた2つの映画館が角田にあった。いい時代だったな、活気があって」とは貞男さんの言葉です。また活気のあるまちを目指し、角田のひと、みせ、まちのかおをご紹介しているのが、こちら↓
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角田市角田字田町62
0224-62-2136
営業時間:9:30~19:00
【ガブリくん情報はこちらからでも】
→https://ja-jp.facebook.com/gaburikun
ガブリくんのLINEクリエイターズスタンプの情報も見れます。
私のお茶椀です。=えみし窯=
手びねりコース 2.500円 (粘土1kg、釉薬、焼成費含む、税込価格)
若き蒔絵師、角田に登場です=うるしの香り工房=
しばし作品をご鑑賞ください。
なぜか、見慣れたほっとする色合いですよね。
パネル作品。
桜の木の下で春の訪れを喜ぶウサギたちでしょうか?私の想像が勝手に膨らむ絵です。
黒もいいですね。これら素晴らしい漆器の作者で
宇宙人が書いた?先日ゴンボッパで開催された漆工芸品ワークショップの先生といえば、
若くてこんなに素敵な方、玉田香織さんです。生まれも育ちも角田の方です!
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玉田さんは高校卒業後、秋田公立美術工芸短期大学工芸美術学科漆コースを専攻。将来好きな絵を描いたり、美術系の仕事に就きたいと漠然と思っていたものが、同校で漆に出会い、さらにしっかりとした目標へと変化。
漆工芸の本場・会津若松の「会津漆器技術後継者訓練校」で2年間の修業を選択しました。そこで、細かい作業とたくさんの技法を学んで、漆塗りの楽しさを覚えたそうです。
卒業作品は乾漆という技法で表現。
「もともと動植物の観察が好き。漆器の図案となる動植物にその経験が活かせるし、ゆったりとした作業ペースが自分には合っている」と話されました。
ここで整理させて頂くと、会津では分業制がとられ、①木地をつくる木地師、②漆を塗る塗師、③金や銀の粉を器面に定着させる蒔絵師などに分かれているという。
玉田さんは「蒔絵師」です。
あらためて蒔絵とは「漆で絵や文様を描き、金属粉や色粉を蒔く加飾技法」だそうです。
女性向けに製作された華やかさの中に優しさを感じる、この作品を例に工程を説明してもらいました
①デザインを考案する。玉田さんが心がけている事。それは「生活で使われるものだから自己主張をし過ぎない」と。デザインには基本何の制約もないそうですが、飽きのこない長く愛されるデザインを目指しているそうです。
②下絵を転写する。スケッチブックに描いたデザインを置目(おきめ・下書き)にし、黄硫(きおう)を水で溶き、写真上の右下のように筆で描く。
刷毛で上からなぞって器に写す。